栗林みな実「miracle fruit」

miracle fruit

みな実さんのニューアルバムは全曲自作詞自作曲という意欲作。シングル曲を全く入れないというのはかなりのチャレンジだったと思うのですが(カップリング曲は2曲収録)、フタを開けてみれば、全曲シングルカットしても遜色ないクオリティでした。
全曲自作詞自作曲のオリジナルアルバムとなると「fantastic arrow」以来ですが、アルバムの雰囲気は対照的ですね。「fantastic arrow」がどちらかというとほの暗さを感じさせたのに対し、今回はタイトル通りに明るくカラフルなイメージ。どちらも魅力的で優劣はつけられませんが、前者が秋から冬に聴きたいアルバムとすれば、今回はまさにこれからの季節、春から夏に聴きたいアルバムですね。
個人的に好きなのは(1)(2)(3)(10)ですが、特におすすめは(10)の「Beautiful Blaze」。アップテンポでとても力強い曲なのですが、曲の最後でみな実さんの声がすっと柔らかくなって消えていくところの情感が最高なのです。中山さんの編曲もGJ。ちなみにこの曲だけドラムが生なのですが、そのドラムがあの佐野康夫氏というのもポイントが高いです。
あえて欠点をあげるとすれば、直球勝負すぎてやや単調なことでしょうか。あと、せっかく10周年なので飯塚さんの編曲がもう少しあっても良かったかなぁと思うのですが、まぁ欲張りすぎでしょうかね。
今年でデビュー10周年のみな実さんですが、このアルバムの前向きさは10周年のさらに先を目指そうというみな実さんの決意を感じさせました。4月からのツアーでこれらの曲を生で聴くのが楽しみですね。