コロナ陽性になったので、東京都のホテル療養を子連れで利用してみた

コロナ陽性になりましたorz

陽性といっても症状としてはそこまで重くなく、少し喉が痛くて咳が出る程度。熱も一時的に37.9℃になった程度です。とはいえ、陽性である以上、外に出ることもできません。幸い家族がいるので、世話はしてもらえるのですが、非常に気を遣わせることになります(実際、相方がコロナ陽性になったときは自宅療養で大変でした)。そこで、東京都のホテル療養を利用することにしました。

目次

1.入所までの流れ

基本的なことは東京都福祉保健局のホームページに書いてあるので、そちらを参照してください。

宿泊療養施設のご案内 東京都福祉保健局

筆者の場合

7月7日 症状(喉の痛み)が出始める(発症日)

7月9日AM 近所の医者で抗原検査→陽性判定

7月9日PM 東京都宿泊療養申込窓口へ電話で申し込み→数時間後入所決定の連絡を受ける

7月10日AM 入所のための搬送車の到着時間の連絡

7月10日夕方 搬送車到着→ホテルへ

搬送車は一般のタクシーを借り上げているようです。ちなみに、筆者の時もそうでしたが、近隣に同じホテルへ行く人がいる場合は搬送車が相乗りになることもあります。ホテル到着後は受付で説明を聞いたのち、書類とパルスオキシメーターを受け取り、指定された部屋へ向かいます。到着後は体温と体内酸素濃度、脈拍を計測しLAVITAというシステムへ手持ちのスマホのブラウザでアクセスし入力します。入力後は電話で保険医からの問診があります。

2.ホテルでの生活

・一日の流れ

7:00 体温と体内酸素濃度、脈拍を計測しLAVITAへ入力

8:00~9:00 朝食配布

12:00~13:00 昼食配布

16:00 体温と体内酸素濃度、脈拍を計測しLAVITAへ入力

18:00~19:00 夕食配布

朝7時の体温計測について朝早くて起きられるか不安な人もいるかと思いますが、6時45分に爆音で放送が流れるので嫌でも目が覚めると思いますw ちなみに各食事配布時間の1時間前に「これから食事の準備をするので絶対に部屋から出ないように」という放送が入ります。もっとも、部屋から出ること自体そもそも食事を取りに行くとき以外は認められていないのですが。

・ホテルの部屋


ホテルの部屋は一般的なビジネスホテルです。部屋の備品として、テレビ、冷蔵庫、電気ポット、ドライヤーは使用が可能です。また、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、ハンドソープ、バスマット、ティッシュペーパー、トイレットペーパー、歯ブラシセット、うがい用のコップ、スリッパは備え付けがあり、不足した場合はホテルの事務局に電話して貰うことが可能です。ただし、貰えるタイミングは次の食事の時になるので、無くなったら困るものについては早めに貰っておくのがよいと思います。ちなみに部屋への清掃は入らないですし、シーツも交換されないので、簡単な清掃道具があると良いでしょう。

・食事

3食とも弁当です。配布が開始されるタイミングで放送が流れるので、時間内に配布場所へ自ら取りに行くことになります。滞在中部屋から出られるのは基本的にこのタイミングだけです。配布開始直後はかなり混雑します。弁当がなくなることはないので、少し時間をずらして行ったほうが密を回避できると思います(本当は運営側でフロアごとに時間をずらしてほしいのですが……)。電子レンジがあるので弁当を温めることもできますが、台数が少ないので場合によってはかなり待つことになります。あと、たまに弁当のなかに冷たいデザート(プリンなど)が入っていることがあるので、うっかり温めると悲惨なことになるので注意が必要ですw

弁当は基本的にごはんとおかずのオーソドックスなものですが、たまにパンとかうどんが入っていることもあります。ふりかけを持っていくと良いという話がありましたが、白飯のときにはふりかけが付いてきました。そこそこバランスは取れていると思いますが、どうしても揚げ物が多く、生ものや果物、乳製品が圧倒的に足りなくなるので注意が必要です。あと、部屋から出られない環境にもかかわらず、弁当のボリュームがけっこうあります。食べ過ぎには注意しましょう。

弁当が食べられない人のために、おかゆやゼリー飲料が用意されているようですが、筆者は利用しませんでした。また、弁当以外にもカップ焼きそばが用意されていました。ちなみにホテル内ではカップ焼きそばはOKですが、カップラーメンは残り汁を排水管に流されるとトラブルになりかねないのでNGだそうです*1。弁当だけだと飽きが来ることもあって、カップ焼きそばはけっこう食べている人が多いようです。

飲み物として、水とお茶のペットボトルが用意されているほか、パックの野菜ジュース、インスタントの味噌汁、お茶、コーヒー、紅茶のティーバッグが用意されていました。一度だけコーンスープの素が用意されていましたが、かなりレアなようです。水は多めに貰っておいたほうがよいでしょう。部屋にカップはありませんが、紙コップは配給所に用意されています。

・ホテルでの生活

日に2回の計測と食事を取りに行くことを忘れなければ、あとは自由です。インターネットは自由に使えるので、タブレット持って行って動画を見たり、Switch持って行ってひたすら積みゲーを消化するのが良いと思います。充電器を忘れないように。

3.持ち物

東京都のページにあるのは次のものです。

・保険証、体温計、バスタオル、タオル類、ナイトウェア、普段飲んでいる薬

タオルや寝間着の備え付けがなく、洗濯することもかなり難しいので、タオルと着替えは日数分以上持っていく必要があります。退所が延びることも考慮して、少し多めに持って行ったほうが良いでしょう。そのほか必要と思ったのは次のものです。

・簡単な掃除道具(粘着クリーナー(コロコロ)、除菌シート)

先ほども書いたように、滞在期間中部屋に掃除が入りません。

・電源タップ

ホテルによってはコンセントの数が足りないこともあります。ケーブルが短いものがあるとよいでしょう。

・お菓子類

3食支給されますがおやつはありません。心のうるおいのためにも好きなものを持っていきましょう。筆者はチョコレートを持参しました。

・洗面用具等

歯ブラシセットくらいしか用意がないので、シャワーキャップなど必要に応じて持参する必要があります。

スマホ等の充電器

スマホは暇つぶしのほかに、LAVITAの入力にも必要となります。ケーブルを忘れないように。

・ホテル用Wifiルーター

ホテルのWifiは接続や速度が安定しないことが少なくありません。有線LANを無線化して使うと快適です。

すべてのものを揃えるとかなりの量になると思います。行きは搬送車があるので良いのですが、帰りは公共交通機関で自力で持ち帰ることになるので、持ち歩ける量にしなければならないことに注意が必要です。

4.子連れ入所について

東京都のホームページには記載が見当たらないのですが、ホテル療養は子供と同室で利用することができます。当初筆者はひとりでホテルに入ったのですが、のちに子供の陽性も判明しました。そこで、ホテルの事務局にダメ元で聞いてみたところ、子供と同室にできるかもしれないとのことだったので、申し込むことにしました。

・入所まで

申し込みの流れは当初ひとりで申し込みしたときと同様ですが、「自分がすでに陽性でホテルに入っていること」「子供と同室を希望すること」を伝える必要があります。また、一人部屋に入っていた場合、二人以上入れる部屋に移動することになります。筆者の場合、同じホテルの同じフロアだったので移動は楽でしたが、場合によってはホテル自体変更になることもあるようです。また、搬送車には規定上子供一人では乗せられないそうです。そのため、既にホテルに入っている親(筆者)が搬送車に同乗して自宅まで迎えに行き、子供と一緒にホテルへ戻ってくるという流れになります。したがって、このような流れになります。

子の入所決定→部屋移動→搬送車ホテル到着→親が搬送車に乗車し自宅へ→子を玄関まで出迎えし一緒に搬送車でホテルへ

ちなみに子の発症日は筆者より一日早かったのですが、退所日は合わせてもらうこと(子供が一日多く滞在)ができました。通常通りの退所であれば、ホテルに誰か子供を迎えに来てもらうことになります。

・子連れでの注意点

食事は大人と同じ弁当で、子供用のメニューはありません。幸い筆者の子はあまり好き嫌いがないので良かったですが、場合によっては子供用の食事を持ってくる必要があります。弁当の量も多いので、子供には全部食べる必要はないと言っていました。また、先述のように果物系が不足するので、フルーツ系を用意すると良いでしょう。ただし、缶や瓶を捨てる場所がないので、缶詰でなくフルーツゼリーのほうが良いと思います。冬場であればみかんを持ってくるのも良いかもしれません。

歯ブラシセットも大人用しかありません。特に歯磨き粉は子供には辛い可能性が高いので、子供用の歯ブラシセットも持参する必要があります。また、スリッパについても大人サイズなので、場合によっては子供用のスリッパを持参しましょう。寝具についても、子供には枕が大きすぎる可能性が高いです。枕を持参するのがベストですが、荷物がかさばるので、バスタオルを折って枕代わりとしました。

・子供のホテルでの過ごし方

筆者の子は小学生なのですが、幸いオンラインで学校の授業が受けられる環境が整っていたので、授業時間中はそれを受けていました。その他の時間は宿題をしたり、ゲームをしたりして過ごしていました。本人曰く、食事を二人でとれるようになったのが嬉しかったようで、家だと部屋に一人で隔離になってしまったでしょうから、それに比べると良かったように思います。

5.退所

発症日から10日経過し、かつ72時間以内に症状がなければ晴れて退所となります。退所日前日の夕方に、ホテル事務局から翌日退所になる旨の電話がかかってきます。退所は午前中です。退所OKの電話が来たら部屋から出られますが、退所時間が限られている(30分間)ので、事前に支度をしておきましょう。シーツ、枕カバー、掛布団カバー、バスマットは外して、所定の場所へ入れます。最後に、入所時に貸与されたパルスオキシメーターとボールペン、ルームキーを返却して、退所となります。帰りは公共交通機関の利用となるので、入所時に交通費(Suicaなど)を持ってくるのを忘れないようにしましょう。

6.改善して欲しい点

無料なのであまり文句をいうのもどうかとは思うものの、不満がなかったわけではありません。特に、前にも書いたように、食事を取りに行く時に配給所が非常に密になるのは改善して欲しいところです。同じ陽性者なので問題ないのかもしれませんが、自分が治りかけで退所間近なのに、他の咳き込んでいる人に近づくのは正直あまり気分の良いものではありません。配給所をフロアごとに設置するのは難しいとしても、せめてホテルのフロアごとに呼び出し時間をずらすといった、多少なりとも密を回避するような方法を考えてほしかったと思います。

7.まとめ

ホテル療養、毎食弁当だったり、洗濯ができないために持ち物が大量になるという不便さはありますが、コロナにかかっていない家族の負担が減るという点では利用してよかったと思います。何より、これだけ利用して無料というのは大変ありがたいことでした。コロナにかからないのが一番ですが、かかった際はホテル療養を利用してみてはどうでしょうか。

*1:業界の中の人いわくカップ焼きそばの捨てるお湯も油が多いのであまり排水管には良くないとのことですが……