林原めぐみ『Plain』

Plain(期間限定盤)
Plain(期間限定盤)
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林原めぐみ
キングレコード (2007/04/21)
売り上げランキング: 228


1.www.co.jp
新曲その1。
アルバムがアカペラで始まるのは今までになくかなり新鮮でした。
とにかく聴いていて気持ちの良いポップロック
めぐ姉の声も伸び伸びとして、かつ力強さと愉しさに溢れており好印象。
今回の新曲5曲の中ではこの曲が一番良いのではないでしょうか。


2.負けないで、負けないで...
初出は2003年発売のシングル。若い子への応援歌。
10代のとき聴いたらかなり共感し感動したと思います。
ただ、20代も後半になった筆者にとっては正直生温さが。


3.KOIBUMI
初出は2002年発売のシングル。個人的にはかなり気に入ってます。
Aメロ部分のラップはめぐ姉の音楽に対する勘の良さを感じます。
サビはややキャラソンっぽい歌い方なので、
抵抗を覚える人もいるかもしれませんね。


4.trust you
初出は2001年発売のシングル。
可もなく不可もないといった感じのミディアムバラード。


5.Give a reason 〜Ballade version〜
初出は2006年のシングル。
大抵リアレンジ・リミックス曲は駄作になるものですが、
これはその最たるもの。
聴くべき何物もないです。元曲は好きなだけに余計残念。


6.Breeze
初出はなんと1997年のシングル。
この曲はシングル出たときむちゃくちゃ聴きまくったのを覚えてます。
イントロのラテン調のギターの鮮烈さや、曲の勢いにクラクラしたものです。
今回改めて聴いてみましたが、全く古びた感じがしなかったですね。
サビの新しい世界へ想いを馳せるドキドキ感も相変わらずです。
筆者が思うに佐藤英敏氏の曲はこの頃が頂点でしたね。
その後は粗製濫造になってしまった感が否めないです。


7.BLトライアングル
新曲その2。
タイトルのBLとはボーイズラブのことだとか。
こんなん題材にした歌を入れてしまうあたりがめぐ姉の面白さですね。
ただ実際聴いてみるとそんな奇をてらったものではなく、普通にポップな感じ。


8.頑張って、頑張って...
2と同じく辛島美登里さん作詞作曲。やはり若い子への応援歌。
力の抜け具合はこちらのほうが良いですが、
曲としては2のほうが良いので一長一短といったところ。


9.4月の雪
新曲その3。
『SHAMROCK』のはモモバージョンなので、
林原めぐみとして歌ったのは今回が初めてなのです。
この曲については先日の『A Happy Life』と同じことが言えます。
岡崎さんの想いや優しさ、それがそのまま歌声の優しさに表れています。
ちなみにオケは岡崎律子さんがセルフカバーした際のもので、
コーラスも岡崎さんが歌ったものがそのまま入ってるのですが、
サビの「ランララララ」のハーモニーは何とも言えないです。


10.旋律
新曲その4。完全なる私信。
既にこれは歌ではないのかもしれません。


11.Forty
新曲その5。
「Therty」があったから「Forty」もあるわけですが、
レゲエとは予想だにしませんでした。
曲としては良くも悪くもといった感じですが、
この10年、めぐ姉的には結婚・出産という大イベントがあったわけで、
そうした経験をした上でのめぐ姉の気持ちの変化を感じられて面白いです。
さて、「Fifty」ではどうなってしまうんでしょうか!?


12.Meet agein
初出は2006年のシングル。
最初聴いた時は良くも悪くも雀百までだなぁという感想だったのですが、
改めて聴くと力強さはあっても悪い癖であった力みがないことに気付きました。
このあたりの余裕はめぐ姉が良い歳の重ね方をしているということなのでしょうね。


13.天国の記憶
ボーナストラック1。綾波レイのキャラソン。
ボーナストラック扱いですがある意味全曲中の白眉。
こんなん歌えてしまうめぐ姉は正直恐ろしい人です。
全曲通して見えるのは青白い仄かな光。
そして救いのない世界……
聴き終えたときは心を全て連れて行かれたかのようで、
ただ呆然とするのみでした。


14.りんごウラミウタ
ボーナストラック2。アンナのキャラソン。
これは声優・林原めぐみの面目躍如といった感じ。
至芸を堪能できます。


さて、初回版のみついてくる2枚目には、ラジオ「Tokyo Boogie Night
600回記念イベントのライブパートが収録されています。
これはめぐ姉には数少ない生演奏をバックに歌った貴重なもの。
ちなみにこの時ちょうど妊娠中だったことから、バンド名は「胎教’ズ」。
妊娠中ということでアコースティックなアレンジがされているためか、
リラックスして楽しげに伸び伸びと歌っている感じがすごく伝わってきます。
バックもレベルが非常に高く、特にたかはしごう氏の多芸っぷりは聴きもの。
実は筆者はこれを生で聴いていて、大満足したのですが、
あらためて聴いてこんなにいいライブだったのかと再認識しました。


出産もあってリリースに間の空いた時期もあっためぐ姉だけに、
今回のアルバムには「林原めぐみ、未だ健在!」といった印象を受けました。
中に不出来な曲もあるものの、一時期顕著だった力みもなく、
めぐ姉の変化と進歩、そしていい意味での変わらなさを感じられる
良いアルバムだと思います。
もしこれから買うのであればぜひとも初回版を。
「胎教’ズ」ライブは聴いて損はないですよ。