弦楽四重奏による「ドラゴンクエスト」




昨年末に出たCDですが、耳が落ち着いたこともあって、ようやくゆっくり聴くことが出来ましたよ。


クラシックというと、筆者にとっては交響曲とか協奏曲がメインで室内楽には全く手を出してなかったのですが、
このCDだと曲を知っているだけあって、すんなり入っていくことができました。
(それはまさにすぎやま先生が意図された通りなのでしょう)


中身としては、ブックレットのすぎやま先生の解説にもあるように、
基本的には交響組曲版を弦楽四重奏に編曲したものです。
ですから、元々弦楽のみで演奏される曲(王城とか)は交響組曲とほとんど変わりません。
というわけで、興味はやはり元々パートの多い曲を4人の奏者でどう表現しているかでしょう。
もちろん金管も打楽器のような迫力は望めないわけですが、弦ならではの艶っぽさは実に魅力があります。
曲によっては全く違う曲を聴くような趣があります。


中でも面白いのはジパングで、ヴァイオリンがまるで琴のように響き、
チェロ奏者がチェロの胴を叩いて太鼓の音を表現しているのですが、
これなど一昨年実演で接した時に、こんなやりかたもあるのかと大変驚いたものです。


先ほど述べた編曲の面白さや弦の音色の魅力のほかに、ソロのテクニックなども聴き所ですし、
思わず身体が揺れるような弾む曲があったり、意外な迫力をみせる曲があったりといろいろ楽しめるCDだと思います。
ドラクエの曲好きだけど、オケは重過ぎるという人も是非に。