シャッツキステ 第一章閉幕(3月15日)

秋葉原のとあるビルの5階。狭く急な階段を登り、突き当たりの扉を開けると、そこは喧噪から切り離された小さな屋根裏部屋。それがアートメイドカフェシャッツキステ』。
いわゆるメイド喫茶に一般的?にあるような、「おかえりなさい、ご主人様」とかいうお決まりの台詞も、オムライスにケチャップで好きな字を書いてくれるサービスも、ここには存在しません。メニューにあるのはただ1種類の紅茶と僅かなお菓子、そして数々のテーブルゲーム。壁の棚にはどこから集められたのかわからないような数多の本。9人のメイド(+1匹のウサギ)とたった13人のお客様のための空間、それが「宝箱」と名付けられたこの屋根裏部屋の全てなのです。
筆者が最初にこの部屋を訪れたのはおよそ一年前。あの時の楽しさは今でも忘れられません。メイドさん(確かレイラさんとククイさん)や同じテーブルにいたお客さんとお話やゲームをしてるうちに、あっという間に2〜3時間経ってしまっていました。その後幾度もこの部屋を訪れました。ククイさんが廃墟や工場萌えの魅力を嬉しそうに語るのを聞いて気付くと自分もそうなっていたり、蛙のパズルをテーブルの全員が悩んだ末に解いて喜びすぎてレイラさんに怒られたり……心躍る体験がいっぱいでした。
そう、メイドさんとお客さん、あるいは見知らぬお客さん同士で自然と会話の輪が出来る、そんな良い意味での垣根の低さがとても楽しく、そして居心地が良かったのです。
そんな「宝箱」の物語がこの3月15日、閉店イベントをもって第一章の幕を閉じました。たった13席のお店なのに、会場には数え切れないほど多くの人。ステージに上がったメイドたち、そしてイベント後訪れた屋根裏部屋の光景を心に焼き付けました。
第一章の物語を演じた9人のメイドさんに心からの感謝を。ここは掛け値なしに秋葉原で一番好きな空間でした。ありがとうございました。
そして……第二章が始まります。4月、新しい物語に出会える日を今から心待ちにしたいと思います。