『GREAT ACTIVITY』


このレビューは名古屋のライブへ向かう新幹線の中で書いたものです。
ライブを1本見た現在ではちょっと評価が変わってるかもしれません。


1.Bring it on !
1曲目から「おっ」と思わせるへヴィさ。
「It's in the bag」もそうですが、
この手の曲の奈々さんはとにかくカッコイイ。
アルバム全曲この路線で通しても面白かったかもしれないですね。


2.Orchestral Fantasia
いつものストリングスバリバリの上松曲、とにかく濃いです。
いろいろ言われてる上松曲ですが、聴き栄えはしますし、
奈々さんの特徴を生かしているとも思うので、
個人的には嫌いではないです。
ただ、先述のようにどうしても「濃い」ので、
あまり続くと辛いものがあるのと、
奈々さんの未知の部分を引き出してないという面が
批判される所以かもしれません。


3.Promise on Chiristmas
R&B風のクリスマスソング。
歌い方もR&Bのそれっぽくしてるのはわかるのですが、
「っぽく」というのは結局は本物ではないわけで、
もっとストレートに歌って欲しかったところ。


4.MASSIVE WONDERS
以前も書いたのですが、何か突き抜けてないもどかしさを感じる曲です。
よい曲ではあるのですが、窮屈さがあるんですよね。


5.Take a chance
「You have a dream」から楽しさとかキラキラしたものを
取り去った感じというのが適当でしょうか。


6.ファーストカレンダー
80年代のベタなアイドルっぽい感じです。
歌い方もまさに松田聖子あたりを彷彿とさせて、
こんなんもできるのかとちょっと感心した次第。


7.ラストシーン
バラード曲。
「ふたりの恋に〜」から大サビへの盛り上げ方はなかなかのものです。
奈々さん曰く感情をあえて殺して歌ったとのことですが、
個人的にはもっと徹底すればもっと泣ける曲になったと思います。


8.SEVEN
奈々さん作曲。
最初聴いた時は正直変な曲だと思ったのですが、
けっこうクセになる曲です。
バックのパーカッションがいい味だしてます。
ライブでは聴き所かも。


9.アオイイロ
これこそ奈々さんのガールポップ路線の最高傑作。
全編に溢れる愉しさ、思わず身体が動くようなノリの良さ、
何より金粉を撒き散らしたように輝く奈々さんのボーカルの魅力。
それこそシングルの時から何度となく聴いてますが、全く聴き飽きません。


10.TRY AGAIN
もう最初の一音を聴いただけで、
「ああ、ファイヤー(藤陵雅裕さん)のサックスだなぁ」と。
作曲矢吹氏ですし、10年くらい前の奥井さんの曲そのものですね。
これだけの年月が経ってもスタイルが変わらない
矢吹氏もファイヤーもある意味凄いと思います。


11.SECRET AMBITION
なのはOPという括りで言えば、個人的には
マッワンよりこちらのほうが出来が良いと思います。
疾走感が心地よいですし、
何より奈々さんが歌い切ってる感があると思います。


12.Nostalgia
3分弱なんで油断してるとあっという間に終わってしまう曲です。
終わり方とかすごくあっさりしてて、意表を突かれるほど。
美味しい曲ではあるのですが、なんとなく物足りないのは
「濃さ」に慣れてしまったからでしょうか。


13.Heart-shaped chant
奈々さんのボーカルも上松美香さんのアルパも
ストリングスもとにかくボリューム満点。
それゆえ聞き終えたときの満足感はこの上ないのですが、
そのボリュームゆえ覚悟して聴かないと
負けて聴き疲れするのが難点ですね。


14.chronicle of sky
本盤の新曲のなかでは出色の出来。
奈々さんのボーカルが素晴らしい!
果たして水樹奈々という歌手は技術があるゆえに、
作家陣もどうしても振り幅いっぱい使った曲を
作りたくなるのでしょうし、それに応えられるのが
奈々さんの魅力の一つでもあるのですが、
この曲のようなストレート一本勝負をもっと聴きたい気がします。
あと、菊田氏のアレンジが秀逸。
みのりんのアルバムといい、この人いい仕事します。


15.Sing Forever
アルバムのラストらしいバラード曲。
何となく中途半端な感じがする曲です。
いっそピアノ1本にするか、もっと濃くするか、
どっちかにして欲しかった気がします。


全体通して出来不出来の差が激しいアルバムだと思います。
ボーカルの輝きに欠けるような曲もありましたし、
妙にブレスが多い曲があるのも気になったので、
もしかしたら奈々さん自身の体調が万全でなかったのかもしれません。
今回わりと厳しい評価をしてみましたが、
奈々さんはライブの人だと個人的には思ってるので、
ライブで聴くと化ける曲があるかもしれないですね。
それが今から楽しみでもあります。