ネットワークオーディオ雑誌の憂鬱

最近、オーディオマニアの間ではネットワークオーディオが熱いようです。これまでのCDプレーヤーの替わりに、PCや専用のプレーヤーでCDをリッピングしたデータを再生するというもので、要はiPodの据置版ですね。CDをそのまま再生するより音が良いとか、いちいちCDを入れ替えなくていいから選曲が楽とか、まぁいろいろとメリットは喧伝されてますが、手持ちのPCで始められるというのは確かに既存のオーディオに比べて敷居が低いように思います。
筆者もブームに乗ってぼちぼち試している最中で、まぁこの辺の話はある程度形になったら書こうと思いますが、さておき、ブームが来ると当然それ専門の雑誌やら本が出てくるわけです。最近2冊ほど雑誌が出たので、参考になるかと思い買ってみました。
PCオーディオfan3 (MOOK21) オーディオアクセサリー増刊 Net Audio (ネットオーディオ) 2010年 12月号 [雑誌]
読んでみたんですが……正直使えない!
例えばUSB DACには、サンプリングレートの96kHzには対応してても88.2kHzに対応してないものが少なからずあって、対応してるかがメーカーのHPを見ても分からない(最大96kHzとしか書いてない)ケースがけっこう多いのです。で、この手の雑誌であればメーカーからサンプル借りてるだろうし、その程度の検証は当然行った上で結果を載せてくれるだろうと思いきや、紹介ページにはメーカーのHPに書いてある最大の値しか載ってない。何やってんだと言いたくなります。
マランツのNA7004の紹介に至っては、Apple lossless非対応とギャップレス再生不可というマイナス面が全く書かれていません。当然提灯記事なんである程度は仕方ないと思いますが、「非対応だけど今後アップデートで対応して欲しい」くらい書いても罰は当たらないでしょう。
そんな感じでどちらの雑誌も落第点なのですが、どちらがより酷いかと言えば、「機器の詳細は紹介ページで」と書いておきながらその紹介ページがない&再生ソフトの紹介が名前とスクリーンショットのみ&そもそもデータが間違っているという「PCオーディオfan3」です。安くない(1,600円)雑誌なだけに読んでて怒りすら覚えました。「Net Audio」のほうは記事の章立てがまとも&付録が豪華なので、もし買うのならこちらをお薦めします。