新・萌えるヘッドホン読本

新・萌えるヘッドホン読本
岩井 喬
白夜書房 (2008-06-25)
売り上げランキング: 6

元々ヘッドホンリスニングがメインで、2ちゃんねるAV機器板ナイスなヘッドホンスレを愛読していた筆者にとって、オオツカマヒロ氏(表紙担当)の描くヘッドホン娘は馴染みが深く(コミケで本も買ってます)、昨年この本の同人版が出たときに入手できなかったことを非常に悔やんだものでした。それだけに商業ベース復刻されることとなったのは筆者にとってまさに福音でした。
この本で取り上げられているヘッドホンは全41種。現在販売されているヘッドホンで特に評価の高い物や人気のある物が取り上げられているようです*1。見開きで1つのヘッドホンを紹介しており、右ページが音質レビュー、左ページがヘッドホン娘のイラストとなっています。このヘッドホン娘のイラストがある点と、使用するCDの半数以上がアニメの主題歌やサントラという点が「萌える」と題された所以でしょう。
ヘッドホン娘さん達は好みがそれぞれあるでしょうから特に触れませんが、レビューの方は正直不満が。あまりに使用するCDが多すぎるのです。冒頭に一覧があるのですが何と23種類。それが全部傾向が違うならまぁ良いのですが、坂本真綾さんが2枚あったりするからもう何が何だか……。当然全部のヘッドホンごとに全部のCDのレビューが収まるわけもなく、読む側としては比較検討ができない結果に。せいぜいクラシック・ジャズ・ロック・ポップスを取り混ぜて5〜6枚、多くても10枚程度が妥当だったのではないでしょうか。あと、欲を言えばレビュワーを2人にして違った視点のレビューが読めればもっと良かったのですが、さすがにそれはスペースを考えると欲張りすぎですかね*2。もっとも、これらの不満は筆者が「HiVi」とかのレビュー記事を読み慣れてることが原因とも思うので、初心者さんにはむしろこの本のように広く浅くterchしてくれるスタイルが合っているのかもしれませんね。
何よりこの本のコンセプトは高く買います。元々アニソンとオーディオは親和性が高いものですし、筆者も含めて両方のオタを兼ねる人も多いのです。しかし、日本の音楽、特にアニソンは低く見られていましたし、オーディオ的な質が伴っていない物が多く出回っていました。そんな中、音にこだわった『Pure-AQUAPLUS LEGEND OF ACOUSTICS-』がリリースされ、さらにこの本が商業誌として売り出されたことで、流れが変わりつつあるようにも感じます。今後この流れがスピーカーとかプレーヤーにも波及してくると面白いな〜と思います。

*1:その割には何でER-4SないしER-6iがないのかと。

*2:もう一人は本田雅一あたり連れてくれば喜んで書くんでないかと言ってみる。