『ULTIMATE DIAMOND』

実のところ、最初に聴いたときは可もなく不可もないといった印象でした。確かに外れの曲はないけど、かつて「残光のガイア」や真綾さんの「スクラップ」を聴いたときのような衝撃を受けるような曲がなかったからです(「MARIA & JOKER」」は若干それに近かったですが)。
しかし、その後2回3回と聴くうちに印象が変化、好きな曲がどんどん増えていき、しまいには「こりゃとんでもないアルバムだなぁ」と思うようになりました。とにかく全曲良いのですが、個人的にアルバム新曲のお薦めは(1)(6)(7)(11)。特に中盤、作曲のしほりさんが奈々さんに合わせて思う存分難しい曲にした*1という(6)「沈黙の果実」から、ライブで盛り上がりそうなコーラスとサビの開放感が涙が出るほど素晴らしい(7)「Brand New Tops」への2曲は最高の聴き所だと思います。
奈々さんの場合、アルバムを作るにしても特にコンセプトを定めず、その時歌いたい歌を選んでいるということなのですが、にもかかわらずバランスに破綻を感じさせないのはお見事としか言い様がないです。
一時期問題となった音質も、一部割れた感じの曲があったものの気になるほどではなく、全体的には良い部類に入るのではないでしょうか。しっかり消費者の意見が反映されているのは嬉しいことです。
記念すべき「7」枚目のアルバムはファンにとって素晴らしい贈り物となったわけですが、最高の記録も達成することとなりました。そう、
オリコン週間1位!
です! これまで2位は何度かありましたが、ついに頂点ですよ!
この1週間、毎日デイリーチャートにやきもきしてたわけですが、関係者の方のそれは筆者の比ではなかったでしょう。なにしろ、今回の大掛かりなプロモーション、正直かなり大きな賭だったのではという気がします*2。結果、キングに約9年半ぶりのアルバム1位をもたらしたのですから、三嶋Pはじめキングのスタッフは今頃喜びと同時にホッとしているのはないでしょうか。本当にお疲れ様でした、そしてありがとうございました。
もちろん、これもひとえに、多くのファンを引きつけ、ついにはキングレコードという会社全体をも動かした奈々さんの力(努力・魅力・実力)の賜物であることは言うまでもありません。本当におめでとうございます!
それにしても、この先奈々さんはどこへ向かうのか……楽しみでもあり、ちょっぴり不安でもあります。何なんですかね、この気持ちは……

*1:http://shihorimessage.blog.shinobi.jp/Entry/59/

*2:このあたりの裏話なんか、三嶋Pに話を聞くとかなり面白いものになりそうなんですが、誰かマーケティング戦略の視点からインタビューしてくれないですかねぇ。